SUN SURF SPECIAL EDITION
"唐獅子牡丹" KARAJISHI BOTAN
唐獅子牡丹(からじしぼたん)と名付けられたこのアロハシャツは、1930年代後半に和装用の更紗(サラサ)生地で作られた非常に希少な作品。アロハシャツが流通し始めた初期の頃、浴衣の生地を用いて仕立てられたものと考えられる。サンサーフでは2001年に一度復刻しているが、今回の再復刻にあたり改めて生地やプリントを解析。
生地についてはヴィンテージに基づき、紡績や織りのみならず、独特のシワ感まで忠実に再現した。プリントについても友禅にみられる「防染」や、色をぼかして滲ませグラデーションを表現する「たたき」と呼ばれる手法を駆使しており、日本の高い捺染技術で鮮やかな朱赤に刷り上げられた唐獅子が強い存在感を放つ。
また当時、ハワイで日系のテーラーが手がけたハンドメイドの丁寧な作りも特徴。和装の生地は通常のシャツ生地よりも狭幅であるため、背中心で2枚の生地を接ぎ合わせる仕様となっている。日系移民の所有していた浴衣をリメイクしたものか、浴衣用の反物を使って作られたものかは不明だが、アロハシャツ草創期の歴史を紐解くうえで非常に貴重な逸品といえるだろう。